[BL] ずっと君の側に
一通りの言い合いも終わった。



「こんな奴と話してても、無駄だ。
それより、父さんは?」


「秀くんなら、お仕事の電話してたから、長引いてるんじゃないかな」



噂をすると、リビングのドアが開いた。



「あっ、秀くん、お疲れさま」


「ごめん、電話してたら遅くなっ…た」



部屋に入ってきた人が、俺を見て、驚きのあまり固まっているように感じた。


なにか、見てはいけないものを見たような表情をしていた。



「秀くん、秀太くん、どうしたの?」


「あっ、いや、何でもない。
千歳の友達?」


「それが、恋人なんだって」


「あっ、千歳がいってた子」



その人は、こっちを向いて――。



「どうも、初めまして。
千歳の父親の秀太(シュウタ)って言います。

千歳と仲良くしてくれてありがとね」



挨拶の後の笑顔が、千歳と似ていて、親子なのだと確信した。



「あっ、こちらそこ」



どうしたらいいか、分からず、一先ず、挨拶した。



「ふーん、そっか、千歳に恋人ね」


「そういう顔されるから、帰ってこないうちにって思ったのに」


「だって、それは、ねっ、加奈」



秀太さんは、加奈子さんの方を見て――。



「ねっ、秀くん」


「千歳がいつ帰ってくるかとか、時間とか細かく聞いてくるから、なにか、あるのかなって思って、ちょこっと、遅めの時間をいっておいたら」


「そしたら、案の定。
二人でお泊まり会してたみたいだし」



千歳、そんなことしてたんだ。



「はっ、俺には、嘘つくなって言って置いて、二人揃って嘘ついたのかよ!」


「千歳、嘘じゃなくて、サプライズ的な奴だよ」


「なんだよ、それ」



千歳は、困惑していた。



「だって、ちーちゃん。
演技上手なのに、普段、嘘つくの下手だから」



家族、皆、頷いていた。



「まぁ、そんなことより、政晴君とはもっとお話ししたいし、もう少しいてくれる」


「別に、構わないですけど」


「じゃあ、決まりね」



以外に、千歳って、騙されやすいのかな。


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