最初で最後のプロポーズ



買い物に行ってから一時間近く

たってるのに彪雅は帰ってこなくて

嫌な予感がしたけど考えない様にした




……早く帰ってきてって言ったのに

何してるのかな…??






家から歩いて10分の所にあるスーパーに

行ったのにあまりに遅すぎた






………ブーブーブー





その時ケータイが鳴った


…彪雅からだ!!





「もしもし!!も〜遅いよ〜」


「もしもし、警察の者ですが
奥様の携帯でしょうか?」


「………えっ」


「旦那様が先程………」




頭が真っ白になった…

警察の人が後半なんて言ったか

わからなかった






気が付いたら私はケータイを握りしめて

さっき聞いた病院へ向かっていた




……お願い!!生きてて!

「わりぃ!たいしたことない」って笑ってて

神様!! お願いします!!

アタシから彪雅を取らないで…







病院に着くと警察の人が2人いた



「彪雅は!?彪雅はどこ!!」

「奥さん落ち着いて!」

「彪雅に会わせて!!」

「今は無理です…」




私はその場に崩れ落ちた…

…だって …その警察たちの後ろの

処置室からチラッと見えちゃったんだ…



血だらけで心臓マッサージを受けてる

力尽きた彪雅が……





アタシはその場できっと泣き狂ってた



しばらくして

彪雅のお父さんとお母さんが来た









アタシは必死に彪雅の両親に謝った

そしたら彪雅のお母さんがアタシを止めて



「珠愛のせいじゃないよ

彪雅も頑張ってるから信じてあげよ」


って今にも泣きそうな顔で言ってくれた





しばらくして呼ばれて

3人で処置室に入った…







そこには…白い布をかけられた

彪雅が寝ていた…

本当に寝てるようで…少し微笑んでる様で…

いつもの様に「珠愛 おはよ」って

言ってくれそうで…



「彪雅…何寝てんの?」

「ご飯作ってくれるんでしょ?」

「アタシお腹すいたよ?」

「起きてよ…起きてよ彪雅!!!」





でも当たり前に起きなくて…

アタシは狂ったように泣き喚いてた



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