桜舞い散るとき、キミは涙する

「あの!ホントに大丈夫ですから!元々ドジだから、ケガなんてしょっちゅうだし」

「いや、でも……」


これ以上謝られるのが辛くて、わざと彼の言葉を途中で遮る。



「えっと……、それより、どうして私の通ってる学校がわかったんですか?」


実は内心ずっと気になっていた疑問。

昨日私は、自分の学校名など言った覚えはない。


「あぁ、それなら。昨日制服着てたから。
でもさすがにフルネームはわからなかったから、正門で待ってれば会えるかと思って」


なるほど。

そういえば、昨日は学校帰りにそのまま遊びに行ったんだっけ。


やっぱり秀明館の人って頭いいなぁ。


私がしみじみ感心していると


「ヤマト!」


背後から男の子の声が聞こえてきた。
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