桜舞い散るとき、キミは涙する

~♪~♪~♪



そんな中、再び携帯から流れるメールの着信音。


「んも~、佳奈ってばしつこいなぁ」


やれやれ、と携帯の着信画面に目を落とす。



「え……えぇ~っ!?」


あまりの衝撃に、おもわず大切な携帯電話を落としそうになってしまった。


危なかった~。


携帯が無事だったことに、ホッと胸を撫で下ろす。


ちなみに私が使っているのはスマホではなく、折り畳み式のいわゆる『ガラケー』。


本当はスマホに機種変したいけれど、超貧乏学生の私に、もちろんそんな余裕はない。

だからこの携帯には、一日でも長持ちしてもらわなくては困るのだ。



ヒヤリとした場面から一転。

体中がドギマギして熱くなる。



み、見間違いじゃないよね。


目をゴシゴシとこすってから、改めて着信画面を確認する。



『保志大和』



夢ではない。

画面には紛れもなく、今日登録したばかりの保志君の名前が鮮明に映し出されていた。
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