桜舞い散るとき、キミは涙する
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「前髪、ハネたりしてないよね」
駅のホームのベンチに座り、携帯用の手鏡で身だしなみの最終確認をする。
現在、午後1時45分。
午前中のバイトを終えた私は、保志君に会うため、彼と初めて会った街へと再びやって来た。
電車がホームを通過し、風でスカートの裾がふわりと揺れる。
本当は可愛い洋服を着てきたかったけれど、変に気合が入ってて痛いヤツと思われたくなくて、服装はあえて学校の制服にした。
もちろん髪型も、いつもと変わらないポニーテール。
まぁどちらにしても、たいして可愛い服なんて持ってないんだけど。
「待ち合わせは2時だから、あとちょっとか」
徐々に近付いてくる約束の時間。
それと比例するように、胸のドキドキも加速していく。
ちなみに、昨夜から緊張し過ぎて、例のごとく本日も睡眠不足。
べつにデートってわけじゃないんだから、緊張する必要なんて全然ないのに。
頭ではわかっていても、最近の私の体はどうしても言う事をきいてくれないのだ。