桜舞い散るとき、キミは涙する

落ち着かなくて、なんとなく携帯を開き保志君からのメールを確認する。


昨日から既に何十回も見た文字が、相変わらず規則正しく並んでいた。



メールの内容に記されているのは、待ち合わせ時間と場所のみ。


肝心の目的については、一切何も書かれていない。



なんでわざわざ、また私と会ってくれるんだろ……。



そんなことを考えているうちに、腕時計の針が1時50分を指していた。



「そろそろ行かなくちゃ」


慌てて携帯を鞄にしまい、立ち上がる。


期待と不安に高鳴る胸を抑え、待ち合わせ場所である東口の改札へと急いだ。
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