桜舞い散るとき、キミは涙する
どうしよう。
好き。
私……保志君が好き……。
息もできないくらい、胸が苦しい。
苦しくて切なくて悲しくて……。
どうしたらいいか、わからない。
恋ってもっと、嬉しいものだと思ってたのに。
恋ってもっと、楽しいものだと思ってたのに。
私は好きになってはいけない人に、恋をしてしまった。
あまりにも生きる世界が違い過ぎる、自分には手の届かない人。
気付かなければよかった、こんな気持ち。
いっそ、出逢わなければよかった、あの人に。
けれどそう思う心とは裏腹に、小さくなっていく彼の後姿から目が離せない。
もっとその背中を見ていたいのに……。
溢れた涙で視界がぼやけて、もう何も見えなかった……────