桜舞い散るとき、キミは涙する

「ボーっとって……。あっ!もしかして実紅さ~、恋の病ってやつ?」

「っ!!」

「んなわけないかぁ。結局この前の秀才君とも、何の進展も無しだもんなぁ」

「…………」

「……?実紅?」


真っ赤になって俯く私に、佳奈が目を真ん丸にして驚きの声をあげる。


「って、え?もしかしてもしかすると、マジで恋の病!?」

「いや、これはその……なんてゆーか……」

「相手は誰!?やっぱ例の秀才君!?」

「だからそのっ……それは……」


しどろもどろ答える私に、たまらず佳奈が矢継ぎ早に畳み掛けてくる。


「なになに!?ちょっと話聞かない間に、いったい何があったの!?」

「えっと……べつに……あったような、たいしてなかったような……」

「んも~!!じれったい!さっさと白状しなさいっての」

「う……」


佳奈の勢いに圧倒され、保志君への気持ちを自分なりに説明する。


恥ずかしくて途中何度もつっかえてしまったけれど。

それでも佳奈は時折頷きながら、きちんと最後まで話を聞いてくれた。
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