桜舞い散るとき、キミは涙する
◆ミオとミク
「ここが秀明館高校かぁ」
昨夜『ミオ』について向き合うことを決心した私。
善は急げとばかりに早速行動に移し、『ミオ』についての情報を得るため、ここ秀明館高校へとやって来た。
立派な洋風モダン建築の校舎を、フェンス越しに仰ぎ見る。
校庭は私の学校の倍近くはあるだろうか。
見渡せる範囲にテニスコートだけでも、8面分併設されている。
「噂には聞いてたけど、やっぱりお金持ちが通う学校ってすごいんだな……」
圧巻の光景にポカンと口を開けたまま呆気に取られていると、校舎から授業の終わりを告げるチャイムの音が鳴り響いた。
「おっと、いけないいけない。のん気に関心してる場合じゃなかった」
キョロキョロと周りを見渡し、慌てて近場にあった電柱の陰に身を隠す。
とりあえずここで、お目当ての人物を待ち伏せすることにした。