桜舞い散るとき、キミは涙する
だけど現実は、私が想像していた以上にずっとずっと残酷なものだった。
「酷なことを言うようだけど、もしも大和の彼女になれたとしても、いいのは一時(いっとき)だけだと思う。
大和は真咲さんに美桜ちゃんの影を重ねるだろうし、真咲さんはずっと美桜ちゃんの身代わりとして過ごすことになる。
そうやって互いに苦しんで傷付くことになるのは……どうしたって目に見えてる」
怖いくらいに真剣な眼差しが私へ向けられる。
「大和は俺の大事な友達だし、真咲さんもいい人だと思う。だからこそ改めてもう一度言うけど……。
大和のことは諦めてくれ」
目の前がクラクラする。
清水君は、本当に私達のためを思って言ってくれてるんだと思う。
わかってるけど、でも……
結局私は、肯定することも否定することも……どちらも選ぶことが出来なかった。