桜舞い散るとき、キミは涙する
「だめーっ!!」
叫んだのとほぼ同時だっただろうか。
とっさに私は、保志君に向かって飛び付いた。
ドスンという鈍い音と共に、重い衝撃が全身を貫く。
「……っつ」
あちこち痛む体に、ハッと我に返った私は、閉じていた目を恐る恐る開いた。
目の前には、私と折り重なるようにして地面に倒れ込んでいる保志君。
弾かれたように慌てて上体を起こすと
「うっ……」
短いうめき声を発し、保志君がゆっくりと起き上がった。
「真咲……さん……?」
ようやく私の存在に気付いた保志君が、地面に座り込んだまま、驚いたように目を見開く。
「どうしてここに……」
「バカっ!!」
状況が飲み込めないらしい保志君の言葉を、私の悲痛な叫び声が遮(さえぎ)った。