この恋が罪だとしても



「記憶が無くても、これから北園さんとの思い出を作って重ねていけばいい」

「お前……」

「だからね、泉くん……絶対に幸せになって」


――ズキンッ。


お願いだから、幸せになってほしい。

私が、きみのことを諦められるくらいに幸せになって。


――ズキンッ。


そのためなら私……この胸の痛みさえ押し殺して、きみの恋を応援するから。


「なんでお前……そんなに優しくなれんだよ」

「……私が、優しい……?」

「俺は、お前が憎くて仕方がなかった。だから、傷つこうが、どうでもいいって……そう思ってたんだぞ!?」


苦しそうな顔、そんな風に言ってくれるだけで、私は嬉しいのに……。

優しいのは、泉くんの方だよ……。


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