この恋が罪だとしても
「っ……俺も、分からないけどただ……お前を助けてーだけだ……」
「ねぇ泉くん……。もし、本当に私を助けたいのなら……優しくしないで」
前みたいに遠ざけてほしい。
そうすれば、私はこの恋に苦しまずにいられる。
私からきみを突き放すことは出来ないから、だからせめて泉くんから遠ざけてほしい。
「雨音……なんでそこまで、1人になろうとすんだ」
「大丈夫だよ、1人には慣れっこだから」
潤む視界で、微笑めば、泉くんは目を見張った。
そして、ゆっくりと私を拘束する手を離す。
「俺の存在が雨音を傷つけるなら……お前の言う通りにする。俺には……お前を引き止める資格が無い……」
俯いたままそう言った泉くん。
その顔は見えないけれど、優しい泉くんのことだから、また傷ついた顔をしてるんじゃないか、そう思った。