この恋が罪だとしても


「雨音……やっぱり、俺……行くなっ」

「さよならっ」


2度目のさよならで私は踵を返すと、全速力で走り出す。

教室に向かっていた私は、引き返して音楽室へと向かっていた。


「はぁっ、はっ……うぅっ」


……泉くんっ、泉くんっ。


走りながら、涙がボロボロと溢れてきて、走る息苦しさとは別の苦しさが胸を襲った。


私が引き起こしたことが、大好きな人を、その人の大切な人を、私の友人を苦しめる。


一生孤独でいたらいいのかな。


どうしたら、誰も傷つけずにいられるんだろう。

誰か、教えてよっ。




< 167 / 262 >

この作品をシェア

pagetop