この恋が罪だとしても
「雨音……やっぱり、俺……行くなっ」
「さよならっ」
2度目のさよならで私は踵を返すと、全速力で走り出す。
教室に向かっていた私は、引き返して音楽室へと向かっていた。
「はぁっ、はっ……うぅっ」
……泉くんっ、泉くんっ。
走りながら、涙がボロボロと溢れてきて、走る息苦しさとは別の苦しさが胸を襲った。
私が引き起こしたことが、大好きな人を、その人の大切な人を、私の友人を苦しめる。
一生孤独でいたらいいのかな。
どうしたら、誰も傷つけずにいられるんだろう。
誰か、教えてよっ。