この恋が罪だとしても
「んん……っ」
「あっ……雪乃?」
すると、小さな声とともに、北園さんはまつ毛を震わせて、ゆっくりと瞼を持ち上げた。
「北園さんっ……良かった、目が覚めたんだ……」
あたしはホッとして体から力を抜く。
そしてヘナヘナと保健室の床に座り込んだ。
良かった、北園さんに何かあったら……あたしは、一生悔やんで生きていくことになってた。
大好きな人の、大切な人を傷つけるなんて、絶対に嫌だもの。
「ここは……」
「保健室だ、お前階段から落ちたんだよ」
泉くんもどこかホッとしたような、柔らかい口調で北園さんをその胸に抱きしめた。
――ツキンッ。
胸は痛むけれど、それでも泉くんのあの顔を見られるだけで、満足しなきゃ……。