この恋が罪だとしても
「私が……晴くんのことを……好きじゃなかったこと、雨音さんに酷いことをしてきたことだった……」
北園さんは、怯えるように自分の体を抱きしめる。
そして、不安に揺れる瞳で私を見た。
「私ね、本当に最低だった。雨音さんは、ピアノが出来たり、言葉数は少ないのにみんなから頼られたり……」
「私は……」
私は、そんな風にみんなに頼られたりしてない。
ピアノだって、自分にはこれしかなかったから……。
「自分が目立てないことが気に食わなかったから、私は雨音さんに突っかかってたの」
「私なんか……北園さんの方がみんなに好かれてたと思うよ?」
私は、北園さんが思うような完璧な人じゃない。
北園さんは可愛くて、みんなの人気者だった。
どうして、そんなことを思うんだろう。