この恋が罪だとしても



「っ……変なのっ」


私は、泣きそうになりながら、笑顔を返す。


私も、北園さんなら友達になりたい。

今まで、誰もいらないって思ってたのに、北園さんとなら、仲良くなりたいって思えるから不思議だ。

たぶん……見返りなく、全てを許して私に優しくしてくれたからだと思う。


だけど、私にその資格は……あるのかな?


「自分が階段から落ちた日のことだけが思い出せないんだ。だからね、教えて欲しいの」

「……北園さん……」

「あの日、私は……雨音さんに何をしちゃったんだろう?」


北園さんの記憶は、私の罪を犯した日を除いて全て戻った。


それなら、私は……もう、全てを話さなくちゃいけないよね。

それが、どれほどの苦しみを伴うものでも。


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