この恋が罪だとしても
「……北園さんは、何もしてないんだ」
私が話すのを、北園さんが静かに聞いている。
それに甘えて、私は話し続けた。
「あの日、北園さんはテディベアーを捨てようとしたの。それが、北園さんにとっては、あんまり気に入るものじゃなかったから……」
「あ……っ」
北園さんが、頭を抱える。
もしかして、また頭痛が……!?
「北園さんっ」
「……っ、私、晴くんには、時計とかそういう品のあるものが……欲しいとか、言ったんだ」
「北園さん、思い出したの?」
「少しだけ、あの時の会話が……ね。続けて、雨音さん」
北園さんは、苦しそうにそれでも小さく笑いかけてくる。
北園さんが、頑張って思い出そうとしてる。
それなら私は……。
「北園さん……うん、分かった」
私は北園さんの体を支えながら続けることにした。