この恋が罪だとしても



「だから、北園さんはテディベアーはもう要らないって、この階段下に放り投げた」

「うん……」

「……あのテディベアーは、好きな人が彼女に送った大切なものだって思ったから……。お節介なのは分かってたんだけど……私、どうしても泉くんの心を守りたくて……」


2人のことなのに、首を突っ込もうとした罰だ。

私のお節介が、誰かを傷つけるなんて思ってもみなかったんだ。

ましてや、守りたかったはずの好きな人の心を傷つけた。


「それで、北園さんの方へ必死に走ったの。テディベアーはなんとか掴めたんだけど、その代わりに……」


「あぁ、思い出した……。その時に雨音さんとぶつかって、私はこの階段から……落ちたんだね」


言っていて、やっぱり私は最低な人間なんだと思う。

人を傷つけておいて、北園さんの友達になりたいとか、泉くんがまだ好きなんて……。


本当に、なんて罪深いんだろう。


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