この恋が罪だとしても
「雨音さんが、泉くんを好きだから私は……っ」
「北園さん……?」
「雨音さんへの当てつけだったんだ。本当に……最低なのは私の方だっ」
そう言って、涙を流す北園さんが、一歩後ずさる。
でも、その後にあるのは階段だった。
「北園さん、それ以上下がったら!!」
「あっ……」
北園さんの体が階段の方へと傾くと、あの日の、北園さんの悲鳴が蘇る。
『キャァァァァッ!!』
悲鳴と同時に聞こえた、大きな衝突音。
ダメ……もう、あんな後悔……したくない。
この人を傷つけたくない。
泉くんの悲しむ顔なんて……見たくないんだ!!