この恋が罪だとしても



***


きみを想う度、私の心には雨が降る。

大好きなきみの、一番大切な人の記憶を奪ってしまったから。

だから、階段から落ちたことも、全て……私のせい。


ぼんやりとする頭の中で、そんなことを考える。

すると……。


「こうなったのは、私のせいなんだ……」

「雪乃……どういうことだよ、どうして雨音が……っ」


声が聞こえて、私はゆっくりと目を開けた。

すると、視界いっぱいに広がる白い天井。

カーテンに仕切られたベッドに私は横たわっている。


ここは……保健室?

どうして私、保健室なんかに……って、そうか。

北園さんと話してる時に、私……階段から落ちたんだった。




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