この恋が罪だとしても
でも、そのたびに私は自分の罪を思い知るから、その優しさが辛かった。
「北園さん、いいの。私はそれだけのことをしたんだから」
気遣う北園さんに、無表情に伝える。
もともと、このクラスで笑ったり騒いだりした事は無かった。
だけど、今はさらに無表情になったと自分でも思う。
「そーだよ、雪乃。アイツは、お前の記憶を……奪った犯罪者なんだからな」
辛そうに歪められる泉くんの顔から、私はそっと視線をそらした。
――ズキンッ。
泉くんの言葉が、あたしの胸に突き刺さる。
他のクラスメートには、何言われても平気なのに、泉くんの言葉だけは、痛いと感じた。
それはたぶん、私がまだ泉くんのことを、好きだから。
それは、絶対に抱いてはいけない感情なのに……。