この恋が罪だとしても
「私は、泉くんの傍にいたい……」
それが、どれほどの罪だとしても、この恋を選びたい。
そう思った途端、私は八雲や北園さんの想いを踏みにじってでも、手に入れたい気持ちに気づく。
そうか……私の選びたい想いは、とっくに決まってたんだね。
誰も傷つけずにいられる恋がしたいなんて……もう、綺麗事は言わない。
だから私は……また誰かを傷つけてしまうのだとしても、私に想いを伝えてくれた泉くんのために。
幸せになってほしいって言ってくれた八雲のために。
友達になりたいと、過去を乗り越えた北園さんの決意から目をそらさないために……この道を選ぼう。
「明日からは、強い私になる……」
だから、今だけは弱虫の私でいることを許して。
たくさん泣いたら、きっと全てに向き合ってみせるから。
こうして気づいた自分の本当の気持ちに、私はただひたすらに、涙をこぼしたのだった。