この恋が罪だとしても


「おー、今日も盛大にやられたねぇ」


濡れネズミ状態で廊下を歩いていると、私の隣にヘラヘラとした男がやってくる。


そう、この男は白石 八雲(しらいし やくも)。


八雲は、センター分けした前髪にワックスで遊ばせた金色のミディアムウルフの髪で、どこでも目立つ。


そして、学校の女子いわく、フェロモンの塊らしい八雲は、この学校では有名なモテ男だ。


「そう?いつもと変わらないでしょ」

「今日は、水の滴り方が絶妙でそそるよ♪」

「あっそう」

なのに、どうしてだか私に絡んでくる。

八雲はB組、隣のクラスで、授業以外の休憩時間や昼休みはこうして必ず私の所へやってくるのだ。



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