この恋が罪だとしても



この日から、私は自然と人混みの中に泉くんの姿を探した。

移動教室、合同授業の時は必ず。

そして、その姿を見つめる度にドキドキして、いつしか恋へと変わっていた。


人が好きになる瞬間なんて、そうそうハッキリとはしない。

気付いたらその人の姿を目で追っていて、傍にいなくてもその人の事を考えている。


恋って、気付いたら落ちてるものだと、身をもって知った。


そして、泉くんに片想いすること3年目に突入した、高校3年生の春。



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