この恋が罪だとしても
「この借りは、いつか返す」
「え、どうして……」
どうして……。
まさか、傘を返してくれるとは思わなかった。
泉くん、律儀すぎだよ……。
「どこかに捨てたって、良かったのに……」
「お前……」
苦笑いを浮かべると、泉くんは私の顔を見つめて息を呑んだ。
「どうしたの、泉くん」
そんなふうに見られると、居心地が悪い。
なにか、変なことを言っちゃった?
それか、変な顔でもしてたのかな……。