まだ見ぬ春も、君のとなりで笑っていたい
すると彼はゆったりと首をかしげて、唐突に地面に座り込んだ。
なにをしているのだろう、と見ていると、彼は近くに落ちていた小石を手に取った。
その石を使って、地面になにかを書きはじめる。
私は思わず身を乗り出してその手もとを覗きこんだ。
なにか絵を描いているのかと思ったけれど、予想とはちがって、彼は文字を書いていた。
『春花』
と書かれていた。
繊細で几帳面そうな、男の子にしてはとても綺麗な字。
それに目を落としたわたしは、春の花? と心の中で首を傾げたけれど、すぐに、『はるか』と読むのだと分かった。
顔をあげて見ると、彼は反応を窺うような視線をわたしに向けている。
どうやら、わたしの名前の漢字を確かめようとしているのだと気づいて、わたしは首を横に振った。
なにをしているのだろう、と見ていると、彼は近くに落ちていた小石を手に取った。
その石を使って、地面になにかを書きはじめる。
私は思わず身を乗り出してその手もとを覗きこんだ。
なにか絵を描いているのかと思ったけれど、予想とはちがって、彼は文字を書いていた。
『春花』
と書かれていた。
繊細で几帳面そうな、男の子にしてはとても綺麗な字。
それに目を落としたわたしは、春の花? と心の中で首を傾げたけれど、すぐに、『はるか』と読むのだと分かった。
顔をあげて見ると、彼は反応を窺うような視線をわたしに向けている。
どうやら、わたしの名前の漢字を確かめようとしているのだと気づいて、わたしは首を横に振った。