まだ見ぬ春も、君のとなりで笑っていたい
前までは、遠子も加わって四人で食べていた。

でも、文化祭のときに彼方くんのことで気まずくなってしまい、しばらく会話もしていなかった時期があって、一緒に食べる習慣はなくなってしまった。

そのあと彼女と仲直りをして、また一緒に食べようと声をかけたのだけれど、遠子に断られてしまったのだ。

たぶん、香奈と菜々美に気を使っているんだと思う。

わたしは遠子と二人でもいいと思ったのだけれど、彼女はどうしても受け入れてくれなかった。

誘おうとするといつも声をかける前にどこかへ行ってしまうのだ。

わたし自身も、香奈たちとの関係を悪くする勇気がなくて、結局そのままになってしまっている。

遠子は今、どこで食べているんだろう。

暗いところで一人で寂しく弁当を食べる姿を想像して、胸が痛む。

でも、彼方くんと二人で食べているかもしれないと思いついて、今度はその想像で胸が苦しくなった。

四人で食べていたころは、昼休みがいちばん楽しみな時間だった。

でも今は、いちばん気が重い時間だ。

遠子のことを気にしながら、表面上では香奈たちと楽しくおしゃべりをするというのはとても難しくて、笑顔を浮かべ続けることに疲れてしまう。

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