いつの日か、ここで。
忘れてはいけない、誰か大切な人に教えられた言葉。

でももう今は微かな記憶しかない。麗らかな春の風景と、反対に頭のもやがスーっと抜けていくような、きりりと涼しいそよ風。私はその景色を、空間を、ただ思い出すことしか出来ない。

あのとき私はすべてを悟った。すべてを信じた。


心の底からしあわせな気持ちで満ちていた。


未来への夢と自信に満ち溢れ、たっぷりの愛に包まれた。




その感覚を、暖かさを、ただ思い出すことしか出来ないのだ。
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