転校生(Eijis' black worldⅡ)
「…イジ…エィ…ジ…エイジ!!」

カイトの俺を呼ぶ声で俺は目を覚ました。

「ん?…寝ちまってたか…」
「何寝とんねん!!そんな事より一連の事件の犯人が捕まったで!」

その一言で一気に目が覚めた。

「なんだって!?誰だったんだよ!?」

「正確には死んで捕まったんやけど…。名前は大河内 学(おおこうち まなぶ)。お前の学校の教師や!」

大河内はうちの教師で俺のクラスの副担任だ。 まだ25歳なのに異様に老け顔でアキバ系の男だ。そんな容姿だから女子からは気持ち悪がられていた。

「大河内が!?つか死んで捕まったってどういう事だよ?!」

「なんか校庭で首を吊って死んどったたらしいや。遺書も見つかっとるし、自殺で片付けられんなこりゃ…」

「遺書にはなんて?」

「確か…『この一連の事件は全て私が不真面目な二人に制裁を加えるためにやった事です。私は教師失格です。自らの手でこの事件を終わらせます。』って書いとったらしいで。なぁ、エイジ、どう思う?」

「多分、大河内は犯人じゃないな…アイツに人を殺す度胸なんてあるとは思えない…多分真犯人にはめられたんだな…」

俺とカイトの考えは同じだった。
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