転校生(Eijis' black worldⅡ)
「それにしても雑な遺書やなぁ…まるで真犯人が別にいる事を教えてるようなもんやで…」

カイトがコーヒーをすすりながら言った。

「それでも警察は大河内の犯行で片付けんだろ…今回の事件、目ぼしい容疑者が見つからなかったからな…そう言えばカイト、今までどこにいたんだ?」

俺はまだ眠気で頭がボーッとする中、タバコをくわえながらカイトに聞いた。

「あぁ…実はなちょっと高木が死んだ瞬間の映像が欲しくてそいつを取りに行ってたんや。」

「はぁ!?高木が死んだのは渋谷の交差点のど真ん中だぜ!そんなとこの映像なんてどこにあんだよ?!」

「黒の世界にゃ、この渋谷中を監視しとるハンターってヤツがおるんや。そいつに頼んで殺害当日の映像を探してもらったんや。警察にゃでけへん捜査や。感謝しぃや、エイジ。」

今更ながら黒の世界のムチャクチャさに気付かされた。

呆然としている俺を尻目にカイトはカバンから一枚のディスクを取り出し、マスターに渡した。

「なにアホみたいな顔しとんねん!さっさと見るで!!エイジ!」




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