転校生(Eijis' black worldⅡ)

～遡ること30分前…～

須田は学校近くの廃工場にいた。

｢あんたに言われた事は全部やった。もう俺と絵里に二度と近づかないでくれ…｣

｢約束は守るわ。今までありがとうね…これからこうして会えないのは残念だわ…｣
須田は抱きつかれた。

その瞬間、イヤな予感がして直ぐ様抱きついている人物突き飛ばし、その場を立ち去った。

｢最後に相応しい素敵な『別れ』をありがとう須田くん…。｣

そう言われたのに気付いたが須田は振り返る事なく廃工場を後にした。

しかし、次の瞬間須田の身体が炎に包まれた…。

｢うわぁぁぁ…！｣

肉が焦げていく匂いがした。

《絵里…鳴瀬…、俺がバカだったよ…二人ともご…めん……な……》

薄れゆく意識の中須田は最期に懺悔をし、絶命した。
10分後、須田は変わり果てた姿で発見された。

遺体の状況から警察も被害者の特定は困難だったが、近くに落ちていた財布から須田と断定された。