転校生(Eijis' black worldⅡ)
第六章 解放
と、ここまでがカイトの調べてきた新堂の過去である。

多重人格…まるでテレビドラマだ。俺は半信半疑だった。

「それで、お前の両親はどうなったんだ?」

俺は新堂に聞いた。

するとカイトが横から割り込んで来て、

「母親は不倫相手とともに爆死。父親は今でも生きとるよ。ただ、殺人犯として父親は刑務所ん中やけどな…」

「それって…」

「あぁ。爆発の実行犯は父親やったらしい。今でも犯行を否認しとるらしいけど、他に容疑者が出てけぇへんところを見ると決まりやな。」

カイトは新堂に気を使って、俺の耳元でこっそり教えてくれた。

結局、その日わかったのは新堂が多重人格という事だけだった。

新堂を駅まで送り、俺は再びB・Wに戻った。

ドアを開けるとカイトが急に声を張り上げ、

「エイジ!またお前の学校の生徒が死んだ!テレビ見てみぃ!」

と言ってきた。

急いでテレビをつけると被害者の写真が映った。

須田だった…。

これで捜査は再び行き詰まった…。
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