転校生(Eijis' black worldⅡ)
「新堂明日香(しんどうあすか)と言います!あと一年とちょっとしかないけどよろしくお願いします!」
そう自己紹介した彼女は朝とは雰囲気が全然違って明るく見えた。


昼休み、俺は友達の須田、高木、石橋と食堂でメシを食っていた。

「なぁなぁ、転校生可愛くなかったか?!」
石橋がラーメンを食べながら言った。

「俺、狙っちゃおっかなぁ♪」
須田が話に食いついてきた。

「お前等、ああいうのがタイプなのか?きっとアイツ男遊びしてんぜ…」
高木が顔をしかめていった。

『鳴瀬はどう思う?』
三人が声を揃えて聞いてきた。

「興味ねぇ。」
俺はあっさり答えた。すると須田は
「さすがエイジさんは違うよなぁ…そういえばお前、三組の絵里ちゃんから告られただろ?付き合ってんのか?」

「アホか。もちろん振ったよ。絵里は友達としか見れねぇよ。」

高校生にもなって俺は恋愛というものを一度たりともしたことはない。もちろん彼女も今まで作った事はない。

恋愛なんかよりも俺にはやるべき事があった…

そぅ…《アイツ》を見つけ出す事…そして、この世から消し去る事…

半年前のあの日から俺捨てた…平穏を…



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