転校生(Eijis' black worldⅡ)
「し、柴田…」

「久しぶりだな…エイジ。君が私を捜し回ってると聞いてわざわざ会いに来てあげたよ…」

柴田は余裕の表情で言った。

その柴田の余裕にエイジは怒りを露にし、飛び掛かろうとした。

しかし、エイジは次の瞬間動けなくなった。

近づいてみると、柴田の目はエイジの知っていた頃のそれとは全く別もので、エイジはその冷徹な殺し屋の目に気圧されたのだった。
「どうした?震えているぞ…エイジ。」

「うるせぇ!震えてなんかいねぇよ!」
精一杯の強がりだった。内心は

《殺されるかもしれない…》

という恐怖心でいっぱいだった。

すると、そんな俺を察した様子の柴田が俺の肩をポンと叩いて、

「心配しなくても殺したりしないよ。君が今回の事件を解決するかどうか見守らないとね…」

と言ってニヤリと笑った。
「この事件って……やっぱりお前が関わってたのか!!犯人は誰なんだよ!?」

俺は必死に問い質した。

すると柴田はクスッと笑い、
「おいおい、エイジ。それは君が見つけるんだろ?君には期待してるんだから、あんまり私を失望させないでくれたまえ。」

そう言って、俺の前から去っていった…
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