転校生(Eijis' black worldⅡ)
何も出来なかった事に後悔した反面、俺は柴田が去った事にホッとした。

《ちくしょう、ちくしょうちくしょう、ちくしょうぉぉぉ…!》

自分が嫌になるぐらい情けなかった。

その日結局俺は終電を逃してしまい、B・Wに泊まった。

翌朝、マスターに起こされ寝ぼけ眼で家路についた。
家に着くなり、いきなりカイトから電話がかかってきた。

「エイジ!今すぐお前の高校に新堂明日香と小松絵里を連れて来い!」

カイトは用件だけ伝え、俺の答えも聞かずに電話を切った。

《どういう事だ?》

俺はすぐに再び家を出た。
まだ寝ていた絵里を叩き起こし、新堂のマンションに向かった。

その途中、偶然コンビニで買い物をしている新堂を見つけた。

俺はコンビニに入るなり、
「おっす新堂!ちょっと来てくれ!」

とスウェット姿の新堂を無理矢理連れ去り、高校に向かった。

高校に着くとカイトが校門の所で缶コーヒーをすすりながら、寒そう待っていた。
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