転校生(Eijis' black worldⅡ)
「私の家族は幸せなんて口が裂けても言えないほどバラバラだった。
父親は仕事ばかりで私と母親をほったらかし、母親は母親でそんな寂しさを紛らすために他に男を何人も作っては私には見向きもしなかった…
そんな家庭だったから私自身も荒んでいった…」
そう話した新堂の目は少し淋しそうだった。
そんな彼女の姿に俺はまたもや同情してしまったが、カイトはそんな事もなく再び新堂に質問攻めをした。
「ほんならなんであの日、君にもう一人の人格が現れたんや?両親がそんな状態やったら君にはなんのダメージもなかったはずやで?」
「確かにね…母親が男を連れてくるなんて日課みたいなものだったから、あの日も同じように父親の不倫もサラッと流したの…でも……」
新堂の目に光る粒が溢れてきていた。
「でも…。あの日母親が電話していた男は私の彼氏だったのよ!!」
さすがにこの告白にカイトも言葉を失った。
「さすがにあなたも私の元彼までは調べてなかったようね…。あの日、私は家を出て彼に会うために、電話をしたの…。いつもなら携帯を使うのにあの日は家電を使ったの…それが間違いだった…。電話に出た彼は私の名前じゃなく、母親の名前を呼んだの…。」
そう言って新堂はうつむいたまま、黙ってしまった。
父親は仕事ばかりで私と母親をほったらかし、母親は母親でそんな寂しさを紛らすために他に男を何人も作っては私には見向きもしなかった…
そんな家庭だったから私自身も荒んでいった…」
そう話した新堂の目は少し淋しそうだった。
そんな彼女の姿に俺はまたもや同情してしまったが、カイトはそんな事もなく再び新堂に質問攻めをした。
「ほんならなんであの日、君にもう一人の人格が現れたんや?両親がそんな状態やったら君にはなんのダメージもなかったはずやで?」
「確かにね…母親が男を連れてくるなんて日課みたいなものだったから、あの日も同じように父親の不倫もサラッと流したの…でも……」
新堂の目に光る粒が溢れてきていた。
「でも…。あの日母親が電話していた男は私の彼氏だったのよ!!」
さすがにこの告白にカイトも言葉を失った。
「さすがにあなたも私の元彼までは調べてなかったようね…。あの日、私は家を出て彼に会うために、電話をしたの…。いつもなら携帯を使うのにあの日は家電を使ったの…それが間違いだった…。電話に出た彼は私の名前じゃなく、母親の名前を呼んだの…。」
そう言って新堂はうつむいたまま、黙ってしまった。