転校生(Eijis' black worldⅡ)
「なんで殺したんや?君に彼らを殺す動機なんてなかったはずやで。俺が君を調べてた時も四人の被害者と君になんの接点もなかったで…。」
カイトが焦りながら聞いた。
確かに転校してきたばかりの新堂には四人との接点などあるはずもなく、俺自身も新堂が犯人である線は薄いと思っていた。
しかし、実際は動機など全く必要なかった…俺達は目の前の殺人鬼の異常さを甘く見ていたのだった…
「動機?そんなものが必要?私はただ、素敵な“別れ”を欲していただけ。」
「“別れ”やと?どういう意味や?」
「あの日…彼氏にも母親にも裏切られたこの子は、その時のショックでもう一人の人格、つまり私を生み出した。
初めは私自身も戸惑ったわ…でもね私が生まれた理由はすぐに解った。
私はこの子に“別れ”を捧げるために生まれたのよ。当時この子は周りの全ての人との訣別を望んでいた。両親、恋人、友達…みんなこの子を苦しめていたの。だから望み通りに母親と恋人をこの世から消して、その罪を父親に擦り付け、訣別させてあげたの。本当は友達も消すつもりだったんだけどこの子が転校なんて余計な事をしたせいで実行出来なかったのよ。」
「お前。全然俺の質問の答えになってへんぞ。」
カイトが新堂を睨みながら言った。
カイトが焦りながら聞いた。
確かに転校してきたばかりの新堂には四人との接点などあるはずもなく、俺自身も新堂が犯人である線は薄いと思っていた。
しかし、実際は動機など全く必要なかった…俺達は目の前の殺人鬼の異常さを甘く見ていたのだった…
「動機?そんなものが必要?私はただ、素敵な“別れ”を欲していただけ。」
「“別れ”やと?どういう意味や?」
「あの日…彼氏にも母親にも裏切られたこの子は、その時のショックでもう一人の人格、つまり私を生み出した。
初めは私自身も戸惑ったわ…でもね私が生まれた理由はすぐに解った。
私はこの子に“別れ”を捧げるために生まれたのよ。当時この子は周りの全ての人との訣別を望んでいた。両親、恋人、友達…みんなこの子を苦しめていたの。だから望み通りに母親と恋人をこの世から消して、その罪を父親に擦り付け、訣別させてあげたの。本当は友達も消すつもりだったんだけどこの子が転校なんて余計な事をしたせいで実行出来なかったのよ。」
「お前。全然俺の質問の答えになってへんぞ。」
カイトが新堂を睨みながら言った。