転校生(Eijis' black worldⅡ)
「あれはちょうど半年前の雨の日だった…。私はエイジへの片想いに終止符を打つために告白しにエイジの家に言ったの…。でもエイジは留守で…。結局その日は帰る事にしたの…。」

《半年前の雨の日か…晃と最後に会った日も雨だったな…。》
俺はそんな事を思いながら絵里の話しを聞いていた。
「そしたら、エイジの家の前で男の人に話しかけられたの…。その人はエイジと知り合いだからエイジの所に連れてってくれるって言ったの。今思えば、あの時あの人についていかなければ…。」

「エイジ。もしかしたらその男、柴田かもしれへんで。絵里ちゃん、そいつの名前は聞いたんか?」

「確か、尾藤と名乗ってました。」

「尾藤か…偽名かもしれないな…。カイト、どう思う?」
俺はそう言ってカイトの方を見た。すると、その男の事を知っていたらしく、カイトは驚いた顔をしていた。俺はそのカイトのリアクションが尋常でない事が引っ掛かった。

「カイト。知ってるのか!?」

そう俺が聞くとカイトは
「知らん。聞いた事もないわ…。」
と答えたが、明らかに様子がおかしかった。

俺はそんなカイトが気になり、更に質問しようとしたが、すぐさまカイトは俺の質問を妨げるように絵里に話しを続けるように、催促した。
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