転校生(Eijis' black worldⅡ)

食後、俺達はＢ・Ｗに向かった。

その途中、カイトの携帯が鳴った。

ピッ。
｢もしもし。｣

｢………………………。｣

｢おい！なんとか言えや！つうか誰やねん！｣

渋谷の街中で携帯に向かってカイトが人目も気にせず怒鳴った。

｢俺だよ。久しぶりだな。｣
｢その声は……尾藤か！？｣カイトの顔から怒りが消え失せ、驚きに変わった。

｢さすが伝説の詐欺師…。一度会った奴の声は覚えてるようだな。｣

｢詐欺師やなくてもお前の声は忘れはせんわ！お前どこにおるんや！｣

｢それは教えられないなぁ…。それはそうと、隣にエイジがいるようだが？二人で事件の反省会でもしてたのかい？｣

尾藤の発言により、ヤツが近くにいる事がわかったカイトは懸命に辺りを見渡した。

しかし、尾藤の姿を見つける事が出来ないまま、電話を切られてしまった…。

｢クソッ！｣
カイトの全身から悔しさと怒りが溢れていた。
そんな殺気まみれカイトを見た俺は声をかけることすらできなかった…。