転校生(Eijis' black worldⅡ)
すると突然、黒塗りのリムジンが俺達のすぐ隣まできて停車した。

明らかに不自然なその車に俺とカイトは恐る恐る近づいた。

中を覗こうと窓に顔を近づけた次の瞬間、窓があいて中から何者かの顔が現れた。

俺はその顔を見て驚愕した…。


柴田だった…。

柴田はそんな驚いている俺を無視して、カイトに向かって、

｢やぁ。久しぶりだな。｣

と言った。

｢なんや生きとったんかいな…。尾藤…。｣

その瞬間、俺は更に目を見開き驚愕した…。


半年前から俺が探し続けた男と尾藤は同一人物だった…。

そして、その男はカイトとなんらかの関係を持っていた。

あまりにも衝撃的過ぎる事実に俺は言葉を失った…。
しかし、カイトはそんな俺がまるで見えてないかの如く、尾藤に話しかけた。

｢お前、やっぱりエイジに近づいとったな…。エイジが言っとった柴田ってお前の事やろ？｣

｢そんなもん、エイジの驚いた顔を見ればわかるだろう？
お前ならきっと俺の正体にすぐ気付くと思って待ってたんだがな…。第一線を退いて鈍くなったんじゃないか？｣

カイトが熱くなって問いただす一方で、尾藤はいたって冷静に答えた。
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