少し短い恋愛のお話
七夕の願い
6年前の七夕の日。俺は短冊に書き願った。
「亜紀の病気が治りますように」と。
しかし、その願いは叶うことなく、亜紀は死んだ。
その翌年の七夕の日。俺は叶わないと分かっていながら、短冊に書いた。
「亜紀に会いたい」
その日の夜は、雲ひとつない綺麗な空に天の川がかかっていた。織姫と彦星は会えただろうか。なんて考えながら俺は部屋の窓から身を乗り出して空を見ていた。
「俺も一年に一回でもいいから亜紀と会えたら」と
亜紀が死んだ日から何度も考えてしまう。でも、もう叶わない。
そうして夜は更けていき、俺は眠りについた。
「春樹!起きて!!」
懐かしい声が俺を呼んでいる。俺はガバッと起き上がった。そして、起きた目の前にいたのは、
「亜紀……」
去年、病気で死んだはずの亜紀の姿だった。
「なんで……」
「実は神様にお願いして1回だけ春樹に会いに来ちゃった」
そういたずらっぽく笑う亜紀。病室で痩せ細り、元気がない姿はどこにもなかった。
「私ね、春樹に伝えたい事があったんだ。それを言いに来たの」
「俺も……お前に……言いたいことが……」
あの夢にまで見た亜紀が目の前にいる。嬉しさのあまり涙が止まらなかった。そのせいか中々上手く話せない…。
「春樹。ずっと好きだったよ。今までありがと!」
亜紀が微笑み、そう言うと俺の視界は真っ暗になった。
気が付き目が覚めた時は朝だった。どこにも亜紀の姿は無い。でも、耳には亜紀の声が残っている。
「俺だって、好きだよ。バカヤロウ……」
小さく握った拳は震え、一筋の涙が頬を伝ってぽとりと、布団にシミを作った。
「亜紀の病気が治りますように」と。
しかし、その願いは叶うことなく、亜紀は死んだ。
その翌年の七夕の日。俺は叶わないと分かっていながら、短冊に書いた。
「亜紀に会いたい」
その日の夜は、雲ひとつない綺麗な空に天の川がかかっていた。織姫と彦星は会えただろうか。なんて考えながら俺は部屋の窓から身を乗り出して空を見ていた。
「俺も一年に一回でもいいから亜紀と会えたら」と
亜紀が死んだ日から何度も考えてしまう。でも、もう叶わない。
そうして夜は更けていき、俺は眠りについた。
「春樹!起きて!!」
懐かしい声が俺を呼んでいる。俺はガバッと起き上がった。そして、起きた目の前にいたのは、
「亜紀……」
去年、病気で死んだはずの亜紀の姿だった。
「なんで……」
「実は神様にお願いして1回だけ春樹に会いに来ちゃった」
そういたずらっぽく笑う亜紀。病室で痩せ細り、元気がない姿はどこにもなかった。
「私ね、春樹に伝えたい事があったんだ。それを言いに来たの」
「俺も……お前に……言いたいことが……」
あの夢にまで見た亜紀が目の前にいる。嬉しさのあまり涙が止まらなかった。そのせいか中々上手く話せない…。
「春樹。ずっと好きだったよ。今までありがと!」
亜紀が微笑み、そう言うと俺の視界は真っ暗になった。
気が付き目が覚めた時は朝だった。どこにも亜紀の姿は無い。でも、耳には亜紀の声が残っている。
「俺だって、好きだよ。バカヤロウ……」
小さく握った拳は震え、一筋の涙が頬を伝ってぽとりと、布団にシミを作った。