鬼課長は、女子力高い系!?~元ヤンOLの恋事情~修正済み。
「関係があるも、無いも俺は、
こんな汚い部屋は、我慢ならねぇーんだよ!!
ったく。せめていらない物は捨てろよ」
ブツブツと文句を言いながら匠は、片付け始めた。
あ、そういえば。すっかり忘れていたけど
匠は、かなりの綺麗好きだった。
散らかった部屋や地域を見ると我慢ならんとか言い
アイツが総長をやっていた頃は、
よく地域のゴミ拾いに参加させられたっけ。
暴走族が、ゴミ拾いって……。
私を含めてメンバーもそう思ったが
怒らすと怖いから誰も逆らわずに拾った。
まぁ、ありえないと思ったが
そこが匠のいいところでもあったから
見直したんだけど……。
「こら、茜。そんなところでボサッとしているな!?
ゴミ袋をよこせ。
あと掃除機と雑巾は、何処にあるんだ?」
「えっ?ちょっと待って……」
私は、慌ててキッチンに行きゴミ袋を用意する。
確か……この辺にあったはず。
それから1時間が過ぎると
部屋が見違えるほどに綺麗になった。
すげぇ……床が見える!!
「ふぅっ……こんなもんか。
これを継続させろよ。お前は、昔から
ズボラな性格していたからな。
おい、喉渇いた。何か飲み物はないのか?」
「は、はい。ありがとうございます!!」
私は、そう言うと慌てて冷蔵庫から
冷えたビールを匠に差し出した。
しかしハッとする。
いや、何お礼を言ってるねん!!
ビールまで出して。
思わず課長と居る時の癖が出てしまった。
コイツは、勝手に部屋に入って来たんだから
追い出さないといけないのに。
掃除をしてくれたから、つい忘れてしまっていた。