鬼課長は、女子力高い系!?~元ヤンOLの恋事情~修正済み。

溢れる気持ちを押さえて
私は、着替えなどの荷物をキャリーバッグに
詰め込んだ。

これと……あとこれも。

「生田。量を考えろ。
お前……どれだけ詰め込む気だ?」

「だって、何泊もするなら
色々持って行かなくちゃあ……あ、そうだ。
お気に入りの漫画本も」

そう言い部屋全体を見た。

綺麗になった部屋。
匠が、掃除したからだ。

思い出してしまい、また涙が溢れてきた。
それに気持ちが悪い……。

すると課長は、荷物が入った大きなキャリーバッグを
強引に閉めると

「もうこれだけにしろ。足りないのは、
後で買い足せばいい。ほら、行くぞ!生田」

私の異変に気づいて声をかけてくれた。

「は、はい。」

私は、返事をすると逃げるように
この部屋から出た。

また、課長宅にお世話になることに
なってしまった。

修行がてら泊まってしまっていたので
何だか不思議な気分だ。

でも、やっぱり課長の部屋は、
ホッと安心した。

「にゃあ~」

飼い猫のモモもコタツから出てきて
私にすり寄ってきた。

「モモ~しばらくよろしくね」

抱き上げるとギュッと抱き締めた。

モモは、ゴロゴロと喉を鳴らしてくれた。

「生田。お風呂を沸かしてやるから先に入れ。
その間に何か作っておいてやるから」

課長が気遣って声をかけてくれた。

お風呂……。

< 142 / 221 >

この作品をシェア

pagetop