鬼課長は、女子力高い系!?~元ヤンOLの恋事情~修正済み。

「初めは、またうるさそうな奴が
入社したなと思った。
ガサツだし、要領悪いし、叱ればブツブツと
ヤンキー丸出しの文句を言い反抗的な態度。
コイツ……絶対に元ヤンだなと思った」

おい。
それ……ただの悪口じゃん。

「でも、ぶっきらぼうながらも
一生懸命仕事を覚えようとしたり……前向きで
危なかしい行動に目が離せなくて。
気にかけていたら、いつの間にか目で
追うようになり好きになっていた。
ほら、あれだな。
できの悪い子ほど可愛いって……やつだ」

「もともと容姿もタイプに近かったし……。
なのに……お前ときたら鈍感にも程があるし、
酔うと人の気も知らずに抱き付くし、他の男に
目が行ったり……御曹司がいいと騒ぐし。
お陰で俺の心は、箸のようにボキボキだ!」

か、課長……!!

告白が、ただの恨みになっているぞ。

黒いオーラが出てるからやめろ!?

まさか課長が、そんな風に私を見ていたなんて
知らなかった。

昔の私なら好きだと言われたら困っていただろう。
好きではなかったし……。

だけど今は、正直嬉しくて
断る理由すらない。

「あの……私は……」

「しかし、不覚だった」

「えっ……?」

「本当だったら、こんな不本意な告白ではなくて。
クリスマスの日に
夜景とイルミネーションが一望出来るホテルの
レストランで眺めながらディナーを食べて
その後に手編みのマフラーと指輪を渡して
告白をする予定だったんだ」

課長は、凄く残念そうな表情をしていた。

えっ……?
手編みの……マフラー??

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