過去ポスト
サボり
友太さんに家まで送ってもらったあたしは怒られる事を覚悟していたのだが、不思議とお咎めはなかった。


家には両親しかいなくて、サオお姉ちゃんは今日も残業で忙しいそうだ。


夕飯を軽く食べたあたしはすぐに強い眠気を感じてベッドの中にもぐりこんでいた。


今日は1日で色々な事があった。


死にたいなんて考えていたわけじゃないのに、体が海の中に引きこまれていたのだ。


あの時の事を思い出すと、背筋がゾクリと寒くなる。


あたしはあの時本当に夏の声を聞き、夏に会えると思って足を進めていたのだ。


しっかりしなきゃ。


あたしは自分にそう言い聞かせるように呟き、目を閉じたのだった。
< 21 / 85 >

この作品をシェア

pagetop