過去ポスト
それからも他愛のない会話を続けて昼食を食べ終えた。


ラジオからは相変わらずクリスマスソングが流れてきている。


「じゃ、行こうか」


「はい」


友太さんにそう言われ、あたしはシートベルトを閉めた。


そしてふと気が付いた。


友太さんは、あたしがどうして『過去ポスト』を探しているのか1度も聞いてこない。


あたしは運転を始めた友太さんの横顔をチラリと見た。


真っ直ぐ前を見て運転している友太さん。


友太さんも、どうして『過去ポスト』を探しているのがあたしに話そうとはしない。


気になるけど……。


でも、聞かないなら言わないでおこう。


あたしはそう思い、『過去ポスト』探しに集中したのだった。
< 28 / 85 >

この作品をシェア

pagetop