過去ポスト
サオお姉ちゃんは小さく頷き、あたしを見た。


「ごめんねサユ。友太は夏君のお兄さんなのよ」


サオお姉ちゃんの言葉が右から左へと流れて行く。


言葉は聞き取れたはずなのに、意味を理解することができなかった。


「ごめん、サユちゃん……」


友太さんは申し訳なさそうに頭を下げた。


2人とも何言ってるの?


友太さんが夏の弟?


そんなの嘘でしょ?



雰囲気が似てるだけだよね?


そう言いたいのに言葉にならないのは、きっと自分自身2人が兄弟であると認めているからだろう。


言葉を発する代わりに、カラカラに乾いたため息が漏れた。


「サユ、おちついて、あたしたちの説明を聞いてくれる?」


真剣な表情でそう言うサオお姉ちゃん。


説明ってなんだろう?


2人で毎朝コソコソと会っていたことの説明だろうか?


サオお姉ちゃんが友太さんと付き合っていたって、あたしには関係ないことなのに。
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