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あたしはそう言い、夏の体にしがみ付いた。
それなのにさっきまで触れられていた夏の体を、あたしの手はすり抜けてしまったのだ。
驚いて一歩下がると、夏の体が透けているのがわかった。
「大丈夫だってサユ。サユなら1人でもやっていける」
「夏……?」
心臓がドクドクと嫌な音を立て始める。
別れの時が近いのだと、無意識の内に理解している自分がいた。
「それにさ、考えて見ろよ? 一か月間もずっとお前に付き合って、お前を傷つけないように手紙を送り続けてた俺の兄貴ってすごいだろ?」
「嫌!! そんな話聞きたくない!!」
あたしは怒鳴り声を上げて夏を睨んだ。
それなのに、夏はとても穏やかな表情でほほ笑んでいる。
自分だけ駄々っ子になっているみたいだ。
「早朝に会うのだって、お互いの仕事が忙しくて夜に時間が割けなかったからだ。毎日遅くまで働いて、朝早く起きて俺とサユのことを気にしてくれてたんだぞ?」
「夏は全部見てたの……?」
「あぁ。見てたよ」
夏は相変わらず優しくほほ笑んでいる。
「あたしは……夏に手紙を受け取ってほしかった!!」
そう叫ぶと、ボロボロと涙がこぼれ出して来た。
それなのにさっきまで触れられていた夏の体を、あたしの手はすり抜けてしまったのだ。
驚いて一歩下がると、夏の体が透けているのがわかった。
「大丈夫だってサユ。サユなら1人でもやっていける」
「夏……?」
心臓がドクドクと嫌な音を立て始める。
別れの時が近いのだと、無意識の内に理解している自分がいた。
「それにさ、考えて見ろよ? 一か月間もずっとお前に付き合って、お前を傷つけないように手紙を送り続けてた俺の兄貴ってすごいだろ?」
「嫌!! そんな話聞きたくない!!」
あたしは怒鳴り声を上げて夏を睨んだ。
それなのに、夏はとても穏やかな表情でほほ笑んでいる。
自分だけ駄々っ子になっているみたいだ。
「早朝に会うのだって、お互いの仕事が忙しくて夜に時間が割けなかったからだ。毎日遅くまで働いて、朝早く起きて俺とサユのことを気にしてくれてたんだぞ?」
「夏は全部見てたの……?」
「あぁ。見てたよ」
夏は相変わらず優しくほほ笑んでいる。
「あたしは……夏に手紙を受け取ってほしかった!!」
そう叫ぶと、ボロボロと涙がこぼれ出して来た。