過去ポスト
上の空
通っている高校までは自転車で10分ほどの場所にあった。
学校裏にある自転車置き場に自転車を止めて校舎へ向かっていると、クラスメートたちに声をかけられる。
連れだって歩いていると更に友人に会って、輪は広がって行く。
そんないつもの光景の中、あたしは一番後ろをついて歩いていた。
時折声をかけてくれる友人に抵当な相槌を打ちながら、頭の中ではぼんやりと考える事があった。
昨日スマホをいじっていて偶然見つけた都市伝説。
日本のどこかには『過去ポスト』と呼ばれるものが存在していて、そのポストに手紙を投函すれば過去の人物に届くという迷信だった。
そのポストがどこにあるのか、それとも神出鬼没なのか、過去の誰かに手紙が届いた人が実際にいるのか。
すべてがあやふやで、トイレの花子さん並に怪しい噂だった。
だけど、1年前の夏、あの海で夏を失ってしまったあたしからすれば気になる噂だった。
もし、本当にそんなものが存在していたとすれば、海へ行く前の夏に手紙を出してその命を救う
学校裏にある自転車置き場に自転車を止めて校舎へ向かっていると、クラスメートたちに声をかけられる。
連れだって歩いていると更に友人に会って、輪は広がって行く。
そんないつもの光景の中、あたしは一番後ろをついて歩いていた。
時折声をかけてくれる友人に抵当な相槌を打ちながら、頭の中ではぼんやりと考える事があった。
昨日スマホをいじっていて偶然見つけた都市伝説。
日本のどこかには『過去ポスト』と呼ばれるものが存在していて、そのポストに手紙を投函すれば過去の人物に届くという迷信だった。
そのポストがどこにあるのか、それとも神出鬼没なのか、過去の誰かに手紙が届いた人が実際にいるのか。
すべてがあやふやで、トイレの花子さん並に怪しい噂だった。
だけど、1年前の夏、あの海で夏を失ってしまったあたしからすれば気になる噂だった。
もし、本当にそんなものが存在していたとすれば、海へ行く前の夏に手紙を出してその命を救う